コレに注目! 構内の桜
総務部庶務課 ハンドルネーム 幾重の桜(60代・男性)
春を象徴する花・桜。桜といえば、ソメイヨシノ、枝垂桜、八重桜など種類があり、日本各地に有名なスポットがあります。 昨年、富山県入善町で発見された新品種で、花びらが幾重にも重なり、まるで菊のように花を咲かせる桜、「入善乙女キクザクラ」をご存知でしょうか。日本では2例目になる新種の菊桜だそうです。 当社の正門そばにも、桜シーズンも終わりに近い4月末頃に、淡紅色の菊のようでぼんぼりのような花を咲かせる桜が1本あり、前から「他の桜とは様子が違うな」と気になっていました。そんなとき、入善の菊桜のニュースを知り、「ひょっとして新品種かも」と思い、ルーツを辿りたくなって、昨年満開を迎えた折に一枝を持って富山県中央植物園を訪ね、調査を依頼し、後日回答をいただくことになりました。 「もし新品種だったら、名付けは『オオタニキクザクラ』だな」 期待に胸をふくらませ、ワクワクしながら帰路につきました。 数日後、植物園からついに回答がありました。結果は、残念ながら新品種ではなく、「ロッコウキクザクラ」という別の品種であることが判明しました。新品種でなく残念だったような、けれど大事にならなくて少しホッとしたような…。それにしても、「ロッコウキクザクラ」とは今まで耳にしない名前。詳しく聞いてみると、旧制第六高等学校(現在の岡山大学)の校庭があった桜だと記録されており、名前も学校名に由来して「六高菊桜」になったそうです。 実は高貴な菊桜 もう少し詳しく調べてみると、中世に消失したとされていた菊桜の種を、第六高等学校の教授が発見し、校庭で花を咲かせるようになってこの名がついた、という記事を見つけました。 その上、昭和6年には「六高菊桜」由来の苗木が宮中に献上され、その年に誕生された昭和天皇第四皇女子・順宮厚子内親王様(現在の池田厚子様)の“お印”に選ばれた花なのです。【情報元:(独)森林総合研究所】 植物園からは、花の形が不規則で、同じものがないのが特徴のこの六高菊桜は希少価値があるそうで、大事に育てて欲しいと言われました。正式名称がわかり一層愛着がわいたので、毎年きれいに咲いてくれるよう、病害虫予防について念には念を入れたいと思います。当社の近くにお越しの際は是非お立ち寄りいただき、きれいな六高菊桜にカメラレンズを向けていただければと思います。
大谷製鉄 正門そばの菊桜 ※クリックすると拡大します。
花びらが幾重にも重なる様子は菊の花にそっくり ※クリックすると拡大します。