伝統芸能を守る
業務部製品発送課 ハンドルネーム キリン(40代・男性)
私の地元、高岡市伏木では、毎年4月に高岡市の氣多神社で春季例大祭が開催されます。祭りの名物は、例大祭で奉納される神事の獅子舞で、「伏木一宮の獅子舞」として、富山の獅子舞百選にも選ばれています。当日、神社では餅などが売られ、地元の子供たちも見学に来て、にぎやかに行われます。 私は幼い頃からこの行事に携わってきました。小さい頃からよく遊んでいた同級生が先に参加していたので、誘われるまま中学生の頃から参加しました。20代になると、祭りを実行する青年団の団長に就任し、祭りを仕切ることになりました。その頃、春季例大祭が無形文化財の候補となり、そのための細かな審査や調整などで大変忙しい日々を送っていました。様々な審査をクリアし、無事、無形文化財の指定を受け、ほっとした半面、青年団長としては祭りを風化させることなく続けていかなければならないというプレッシャーが強まった気がしました。 青年団長の主な業務としては、祭りの段取りや練習の計画など運営的な業務があります。若いときは祭りを楽しむことだけでしたが、青年団長を経験し、祭りが出来るのは青年団の皆が居るからで、世代の異なる皆をどのようにつなぐか、どのように関わっていくかが大切だと気付きました。もともと団結力の強いチームですが、先輩・後輩が上手くつながって、幾世代にもわたって人が集まり、これからも祭りの活性化をはかっていければよいと思います。そのための協力は惜しみなくさせてもらいたいと思っています。 高岡伏木から全国へ 2月23日には、東京渋谷のNHKホールで開催される「第13回地域伝統芸能まつり」に参加します。(編集部注:原稿をいただいたのは開催前でした)これは、日本各地に脈々と受け継がれてきた芸能を保存し、伝承し、地域の活性化をはかる取り組みで、総務省、文化庁、観光庁なども支援しているイベントです。「鎮(しずめ)」がテーマの今回、私達の地元の祭りが選ばれました。私が青年団長のときに小学生だった子が、今大人になって青年団の中心になってくれていますが、彼らが「今年もご指導お願いします!」と言ってくれたときは大変心強く、誇らしく思えました。2月から練習も始まり、皆熱い思いで取り組んでくれています。イベント当日は、代々受け継がれてきた私達の祭りを、少しでも多くの方に知ってもらい興味を持ってもらえたらと思います。これからも、幾世代に渡って継続していきたいと思います。 ■イベントを終えて イベント当日は、青年団の皆が思い思いに頑張ってくれました。緊張している子もいましたが、来場されていた高橋高岡市長はじめ県議会議員の皆さんに励ましのお言葉をいただき、嬉しそうにしていました。 これだけ世代の違う人たちが集まって一つのことを成し遂げる機会は大変貴重だと思います。イベントを通じて、これからも世代間のつながりを深めていきたいという思いをさらに強くしました。
写真提供 一宮青年団 http://ichinomiya.shishimai.net/