夏から秋へ 移りゆく風景
当時、当社にはたくさんの釣り愛好家がいて、釣り大会が盛んだった。みんなで能登半島や新潟県の粟島(新潟北部の日本海に浮かぶ島)などへも出かけた。30人ほどで作る「釣りクラブ」は、おそろいのユニフォームやクラブ旗まであり、大会ごとの優勝者にはトロフィー、景品も用意されて、会社をあげてと言っていいほどの大会になっていた。粟島は「鯛」で有名で、みんなで意気込んで行ったのだが、そのスタイルは、とてもお見せできる格好ではない。海の上でも、夜になると「蚊」の大群がおそってくる。靴下の上からでも刺されるので、分厚く着込んで、頭には麦藁帽子をかぶり、顔を刺されないように帽子の縁からレースのカーテンをたらしての釣りになった。ちょうど蜂蜜を取り出す養蜂家を想像してもらえばいいかも。
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