月下美人 成長記
製造部圧延課 ハンドルネーム 3年待ちぼうけ(60代・男性)
私は自宅で盆栽や蘭など多種多様な植物を育てているが、今は月下美人に挑戦している。 月下美人は、メキシコの熱帯雨林地帯を原産地とするサボテン科の植物だ。花が咲き始めるまで3年かかり、しかも夜中にしか咲かないというのが、最大の特徴ではないだろうか。開花を目撃できたらけっこうラッキーなのだ。 私の行きつけの床屋で月下美人を育てていた。床屋の主人は、月下美人がいよいよ咲くタイミングに近所の常連客を自宅に招待して、鑑賞会まで開いたのだそうだ。彼から、その珍しさやいろいろ話は聞いていて、私も育ててみたいと思うようになった。 床屋の主人から植木を調達し、挿し木をした。それが平成19年5月の話だから、ちょうど4年前の話だ。それからは育て方についての色んな情報を集めた。水遣りのタイミング、肥料の時期、環境条件、タブー事項なども綿密に調べて、丹念に育てた。 2〜3年のうちに背丈が3〜4mほどになり、小指の先ほどの大きさの芽をつけた。その頃には、当初あまり興味をしめしてくれなかった家族もすこし気にかけてくれるようになった。 “決戦の日”に備えて 挿し木をして3年目の7月。ついに待ちに待ったときがきた。あるとき、つぼみ(ソフトクリームのような形、下写真2枚目)の真ん中が膨らみ、ソフトボールくらいのおおきさになった。1週間かけてゆっくりと膨らみ続け、7日目の夜10時頃そのときがきた。真っ白な花弁が少しずつ開いていき、2時間くらいかけて満開になった。 真っ白で可憐な花に見とれ、とても神秘的な気分だった。写真を撮ろうとこころみたが、興奮で手が震えてしまい、なかなかうまく撮れなかった。このとき、次回までに三脚を買おうと強く思った。午前1時以降にはもうしぼんでいく。本当に短時間だ。それから2か月後の9月にも、また花開いた。どうやら2度咲くこともあるそうだ。 今年も、いよいよ花を咲かせる時期が来た。実は5月20日に花芽が出たのだ。20日は気候がよかったからだろう。このままでいくと、6月10日くらいには花を咲かせるだろうと予想している。 今回は三脚もちゃんと用意してあるし、準備万端で“決戦の日”に備えたいと思う。
下写真3枚は 3年待ちぼうけ さんの 「月下美人」です。 背丈は3〜4メートル
つぼみがどんどん膨らんで…
真っ白な花が咲きます