「日展100年」を鑑賞して
電気課 ハンドルネーム 絵画探求
4月12日から富山県立近代美術館で開催されている「一目でわかる日本の美術 日展100年」では、各時代の代表作が前期、後期に分かれて展示されています。約170点からなる出展作品の中で、私がぜひ実物を見たいと思った作品は、伊東深水が1948年に発表し日本美術学院賞を受賞した、「鏡」です。 伊東深水の作品にはじめて出会ったのは10年以上前、私が高校生の頃で、美術の教科書に掲載されていた「黒いドレス」というものでした。女性の横顔の絵だったのですが、「自分の目に焼きついて離れない」と感じたのを、今でもはっきりと覚えています。 この伊東深水は1898年に生まれ1972年に没した大正・昭和期の日本画家で、日本独自のやわらかな表現と、鋭い線画による美人画が有名です。美人画があまりに人気を博したために、それ以外の題材を書きたくとも注文が来ず、画家として困惑する時期もあったと言われています。 「美しさ」とはなんだろう? 「美人画」というと、美しい女性をモチーフにした絵画だと思いがちですが、実はそんな単純なものではありません。『広辞苑』では「女性の美しさを強調し」という抽象的表現で規定され、『現代日本美人画全集名作選』では「女性の中にある美を探究し、モチーフとしたもの」と定めています。「美人を描いたもの」という定義だけでその本質を表現できるものではないようです。 さて、出展されていた「鏡」も、やはり美人画に分類されるものです。皆さんはどのような美しさを感じるでしょうか? そのほかにも多数のすばらしい作品があり、一つひとつを味わい深く見ていただく良い機会だと思います。その際に自動音声ガイドを借りれば、鑑賞時の助けとすることも出来ます。名作の数々からそれぞれの時代や情景、雰囲気を感じてきてはいかがでしょうか。いままで感じたことのない美に出会うことがあるかもしれませんよ。