12月1日「鉄の日」
製造部部製鋼課 ハンドルネーム 鉄男(30代・男性)
12月1日は鉄の日です。 現在、私は仕事で鉄の製造に関わっています。 大学時代にも、仕事との関係は薄いですが、所属していた研究室で「触媒」の研究をし、鉄に関わっていました。「触媒」というのは、馴染みがない言葉だと思います。触媒を簡単に説明すると、化学反応の反応速度を速める物質です。触媒として、金属が利用されることがあります。 例を挙げると、自動車のマフラーに使用されている白金やパラジウム(※1)が触媒です。自動車を運転すると、有害なNOxガス、一酸化炭素ガス等の排ガス(※2)が発生します。マフラーに触媒が無いと、これらの有害なガスがそのまま排出してしまう為、それを防止するために触媒が利用されているのです。自動車のマフラーの触媒によって、NOxガスや一酸化炭素ガスはそれぞれ窒素や二酸化炭素に変化します。しかし、これらの金属は高価な為、私が大学時代に所属した研究室では、鉄や銅のような比較的安価で、手に入りやすい金属で、触媒の開発をしていました。安価な物質であるほど、触媒の可能性があるといろいろなものに活用できると思うのです。大きな期待を胸に、いろいろと研究を重ねました。研究では、思った様な結果が出ないなど、上手くいかないことの方が多く、嫌になることも多々ありましたが、その分、上手く思い通りに反応が起こったときは、仲間共々喜びました。 人にも不可欠、大切な「鉄」 鉄は、ファスナーやボタンなどの小さなものから、弊社で製造している鉄筋や車のボディなどの大きなものまでさまざまな所で使われております。また、建造物だけではなく生命維持に対してもなくてはならないものになっています。人間の体には2〜4グラムの鉄が含まれ、そのうちの2分の1が血中の「ヘモグロビン」として、酸素と結合し血液に吸収され全身をめぐります。取り過ぎは毒ですが、生きていく為にも、鉄は必要不可欠なのです。 肉類、魚類のほか、ほうれん草や卵黄など、鉄分を多く含む食べ物をとり、大学時代に仲間と喜び合った情熱を持ち、仕事にも取り組んでいきたいと思っております。 (※1) 白金(はっきん)とは、学術用語としては白金が正しいが、現代日本の日常語においてはプラチナと呼ばれる。 パラジウムとは、白金族元素の1つ。希少金属の1つ。 (※2) NOxガスとは、窒素酸化物(窒素と酸素からなる無機化合物)の総称のこと。強い酸化作用を示し細胞に傷害を起こしたり、酸性雨などを引き起こす大気汚染原因物質とされている。 一酸化炭素とは、常温・常圧で無色・無臭・可燃性の気体。一酸化炭素中毒の原因となる気体。 (ウィキペディアより引用) 参考:白金 約4,500円/g、パラジウム 約2,500円/g 銅 約0.8円/g、鉄 約0.02円/g