夏の夜空の楽しみ
梅雨があけ、暑い夏がやってくるこの時期、夜空を見上げれば満天の星空…。 と言いたいところですが、コンビニはもとより、24時間営業のスーパーなども増えて、夜遅くまで街明かりが残っているこの頃は、せっかくの晴天の星空もなかなか見えにくくなっています。私たちが小さかった頃のように、月明かりで影ができるようなところに住んでいらっしゃる方は意外に少ないのではないでしょうか。ここ、射水市でも会社の帰りに空を見上げても、なかなか満天の星空を見ることは、難しいようです。 以前、わたしは外国航路の船員として働いていたことがありましたが、街の明かりのない大海原でみる星空は、例えようのない美しさと迫力で迫ってきました。航路を進むにつれて変わる星座は、宇宙の拡がりと、そこに浮かぶ地球を実感させるものでした。 北半球では今の時期、東の空高く、夏の代表的な星であるベガ(こと座、織り姫)とアルタイル(わし座、彦星)、デネブ(はくちょう座)の3つの星からなる「夏の大三角形」を見つけることができます。そして、西の空低く、木星を見ることができます。 ベガはギリシャ神話では琴の名手オルフェイウスが、亡くなった奥さんのエウリュデケを冥界から救い出そうとしたときに、鳴らした琴になぞらえた星であり、日本では一年に一度しか彦星と会えない七夕の織り姫として見られています。夏の星では一番明るく見えているものの一つで、比較的容易に見つけることができます。 デネブは全能の神様ゼウスが美しい女性に会いに行く時に姿を変えたと言われる白鳥の、胴体の部分になる星です。 アルタイルは、日本では七夕に年に一度しか織り姫と会えない彦星として見ることができます。 まさに「ミルクの道」 夏の夜空はなんといっても天の川ですが、まわりに明かりのない山の上や海の上では、北から南に横たわる、「満天の天の川」を見ることができます。欧米では「天の川」を「ミルキーウェイ(ミルクの道)」とはよく言ったものです。(空が明るくて天の川がよくわからなくても、7倍程度の双眼鏡で見てみると本当にたくさんの星が見えます。) そして、はくちょう座は、天の川の一番明るいところを、まさしく両翼をひろげて飛ぶ白鳥そのものの姿として見ることができるものです。特に白鳥のくちばしの部分に輝くアルビレオは、双眼鏡で眺めると虹色に輝く大変美しい星です。 土日の、少し気持ちにゆとりのあるとき、望遠鏡で夜空を見上げます。私なりの「癒し」と「見つめなおし」の時間です。16cmの反射望遠鏡と7.5cmの屈折望遠鏡で、100倍〜200倍でのぞくと、土星の輪や、木星の縞模様までハッキリとみえて、子供たちも喜びます。 それでも、大海原で見る星空には到底比べられません。家の周りに、街明かりも少なくて、星空を日常的に見ることができるところに住んでいる方は、私にとっては、ちょっとうらやましいですね。