林 桃子(piano)+MIYA(flute) ライブ
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 1月28日(日)pm8:00から、富山市太田口通り「Lush Life」で、ピアノとフルートのデュオ・ライブが行なわれました。
 お一人は、富山市出身でアメリカのバークリー音楽学院ジャズ作曲科を卒業し、現在富山市在住のJAZZピアニスト、林桃子さん。
 もうお一人は、東京都内ジャズクラブでの演奏や、山下洋輔さん、向井滋春さんとの共演、また作曲・アレンジャーとしても活躍中のフルート奏者、MIYAさんです。


(左:MIYAさん、右:林桃子さん)


 ライブは、お二人のオリジナルやスタンダード・ナンバーを織り交ぜながら、2部構成。リズミカルで楽しい演奏があるかと思えば、緊張感あふれるルバート(テンポなし)部分があったりと、二人の息の合った演奏で2時間あまりがあっという間。満席どころか立ち席もギッシリ状態のお客様で、お二人の演奏への関心と期待が現れていました。

自由なコード・ワークで「二人のサウンド」

 1ST Setの中でスタンダード・ナンバーは「Satin Doll」だけでしたが、この曲も含めて、伝統的なコード・ワークにとらわれず、新しい解釈と自由なコード・ワークで、「二人のサウンド」が響き渡りました。無調のオリジナル曲「Tsu-ki」やペンタトニック・スケールで演奏された「Snow Garden」など、曲調もバラエティに富んでいました。
 2nd SetはMIYAさんが高校時代をすごしたイギリスの村「Iron Acton」をそのまま曲名にしたオリジナル曲でスタート。風の音、鳥の声が聞こえる田園風景を絵に描いたような牧歌的な響きです。続くエリントン・ナンバー「Black Butterfly」は打って変わって軽快なミディアム・テンポで体が無意識にスイング。
 意外な展開だったのが、日本人にはおなじみの「赤とんぼ」(曲:山田耕筰)です。ミディアム・テンポながら「11拍子」という、まったくこれまでと違う解釈。それが「3・3・2・3」というビートになったり、「4・4・3」というビートになったりしながら、それでも二人の呼吸がピッタリと合って不思議な空間を作り出しました。
 プログラム最後の曲として演奏されたオリジナル曲「Flynig Red」は「谷間を飛ぶ赤い物体」のイメージとのことでしたが、「直線的に飛んだかと思うと、ホバリングしたり、岩場を縫うように飛んだかと思うと急浮上したり、急降下したり…」という具合に、表情豊かに展開し、演奏が終わってからもしばらく体が動いているかのような感覚が残っていました。
 当然のように湧き出た手拍子での「アンコール!」にも快く応え、林さんのオリジナル曲。"Child Song"でコンサートを締めくくりました。「リズムは、私は割と、自由に解釈して演奏しています」とおっしゃる林さんらしく、基本はslowでありながら、テンポが入ったときはリズムが強く感じられたり、8分音符が部分的に四分音符に聞こえたりと、曲名にもテンポにも自由奔放さを感じました。
 自分たちが心地よいサウンドを表現すると同時に、オーディエンスとも、その快適を共有することが、これからの自分たちのJAZZの方向性だと二人が確信したかのようなライブ・コンサートでした。(foosun)


林桃子(p)+MIYA(fl)の近々ライブのご案内
 Miya+Momo live tour at Tokyo, Shibuya
 (東京都渋谷区公園通り)
  2007.2.15(木) 
  公園道りクラシックス; http://www.radio-zipangu.com/koendori/
    1st set start 19:30
    2nd set start 20:30
    2,500yen with 1drink